綾日記
歌友山田輝子さん


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158.  輝子さん出会いのえにしの始まりは五十余年前の間借りの隣


159.  横須賀のもてなし嬉しありがたく火鉢をかこみし煮豆のうまさ


160.  輝子氏の行商の日々読むなかに感動そえし序文と後記に


161.  繰りかえし読めば読む程輝子氏の心情あふるる行商の日々


162.  歌会の帰りの度に同乗し荷物一杯に親しさうれし


163.  血圧が少し高しと輝子氏の忙しぶりが気になる夜は


164.  輝子氏に比ぶればわれのんびりと菊作りせば相済まぬ気も


165.  短歌なかま新年会のその日には輝子氏手術す安かれと祈る


166.  輝子氏の手術の痛み思うなりせめて外科なれと気の安らぎて


167.  半年も入院治療の輝子氏は足の運びもわれより快くて


168.  久々に輝子氏宅で話し合う五十年前の出会いし頃を


169.  あの頃は互いに若く夢ありて共に歩みし横須賀の街


170.  わが足の力無くして歩まれず確と考がう手術の事を


171.  輝子氏が戦の夫に会いしと言う慰霊碑の立つテニヤン島で


172.  テニヤンの四十余年ぶりのいくさ島夫への語り如何ばかりなるらん


173.  慰霊碑前万感こもり佇みてただ黙々と祈りて去らずも


174.  テニヤンに亡夫を訪う記事を読み他人ごとならず涙して読む


175.  待望の願い叶いて輝子さん短歌に勵みて余生すこやかに


176.  輝子氏の救急入院知らされて面会謝絶のすがたあわれに (輝子さん緊急入院)


177.  まなこ閉ぢ太管つけし輝子さん手握りしめ何も言へずに


178.  商いを終の仕事と果しつつ倒れし女の平癒を祈る


179.  輝子さん身体に合わぬ太き指握りしめたる商いの手ぞ


180.  わが病中身内も及ばぬ見舞いうけお返し出来ずお許しねがう


181.  輝子さん朝日歌壇に短歌見ぬは心淋しく悲しき思い


182.  訛あるあやこさんとて懐しく聞かせてください元気な声を


183.  思わずも千人針のえにしにて森南海子氏とかこむ蟹すき


184.  森さんと出会いのうれしさ有難く蟹すきよりも感激に満つ


185.  わが人生思い出残すはなし種も一つそへる森氏との出会い



186.  南海子氏の千人針の語りべに胸つきささるひと針ひと針


187.  わが縫いし千人針の思い出は赤糸たぐり半世紀たつ


188.  杳き日の千人針の思い出は人それぞれのおもいを秘めて


189.  戦中に千人縫いをたのみては虎年の女(ひと)年の数だけ



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