綾日記
娘二人

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100.  過ぎし日の思い出悲し丑の日は四十五年前の七月二十七日

101.  水死せし吾娘のおもかげ偲びつつ又巡り来ぬ丑の二十七日

102.  吾娘逝きて五十年近し今在らば孫の顔みる年なるにとぞ

103.  夫と娘の死比ぶること出来ぬれど吾娘への辛さわれ生くかぎり

104.  戦中に横須賀生れの次女むすめの防空頭布を被りて帰郷せり

105.  賀露に住む娘夫婦のありがたく舅姑もいとやさしくて

106.  毎土曜共に食事す孫むすめ一人居馴れし婆は賑わし (平成二年)

107.  孫むすめ炊事洗濯に泊り来るそのやさしさを楽しみに待つ

108.  結納を納め果たして目出度くも松竹梅の飾り華やかに (次男の結婚)

109.  今日よりは息子託さん良き女(ひと)に三十年の重荷おろして

110.  息子らの目出度き佳き日見もせずに逝きにし亡夫の思い残して

111.  亡き夫の五十年前の艦の宿オーストラリヤへ息子今誘うも

112.  息子らの佳き旅立ちを喜びて助言ありなん生きて在りせば

113.  新緑の古都に遊びて銀閣寺の庭の銀砂も浄くひかりて

114.  大株の牡丹の色の鮮やかにそぞろ歩きし慈照寺の庭

115.  銀閣寺の庭内に見上げる生け垣新芽のかおりみどりに萌えて (嫁の母と京都へ)

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